2015年度ノーベル生理学・医学賞受賞 大村 智博士

開智学園 名誉学園長 大村 智
開智学園 名誉学園長 大村 智 SATOSHI OMURA

開智学園の名付けの親でもあり、名誉学園長の大村 智博士は、ドリュー大学(Drew Univ. USA)名誉研究フェロー ウィリアム・キャンベル(William C. Campbell)博士と共に、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

大村先生は、天然物化学分野の研究に従事し、アベルメクチンを発見。それを基に抗寄生虫薬として活用されている「イベルメクチン」の開発に取り組み、寄生虫感染症の治療法確立に貢献されました。また、アベルメクチン以外にも、170を超える新たな化学物質を発見しており、これらの功績から、2001年には日本学士院の会員に選定され、2012年には文化功労者を受賞。
2015年には、日本人で3人目となるノーベル生理学・医学賞を受賞されました。

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2015年12月7日にストックホルムで行われたノーベル講演をご覧いただけます。
“A Splendid Gift from the Earth: The Origins and Impact of Avermectin”
(地球からの素晴らしい贈り物:アベルメクチンの起源と影響)

「開智」に込めた思い〜学びの本質は「智」を「開く」こと

人間は長い歴史の中で自然から学び、そしてその恵みを利用して生活を豊かにしてきた。
一方で、地球そのものが持つ「生み出す力」を弱めるようになってしまった。
これは人類の存亡にかかわる問題である。
21世紀を生きる若者は人類が直面している諸問題の解決に向けて勇気をもって進んでいただきたい。
そのためには一人の人間としてしっかりとした基礎づくりが必要である。
毎日の地道な観察や体験を通して、あるいはさまざまな文化に広く触れることで、柔軟で豊な創造力、物事を見極める洞察力、そして知識や技術を活かす応用力を身につける一方、「人を敬愛する、報いる、助ける」といった人徳を高めていただきたい。

ー大村 智

主な経歴

1963年3月 東京理科大学大学院理学研究科修士課程修了
1963年4月 山梨大学文部教官助手(〜1965年3月)
1965年4月 (社) 北里研究所入所
1968年9月 薬学博士号取得(東京大学)
1970年10月 理学博士号取得(東京理科大学)
1971年9月 米国ウエスレ−ヤン大学客員教授(〜1973年1月)
1975年4月 北里大学薬学部教授(〜1978年6月)
1981年5月 (社) 北里研究所監事(〜1984年5月)
1984年5月 (社) 北里研究所理事・副所長(〜1990年6月)
1985年7月 (学) 北里学園理事(〜2003年6月)
1990年6月 (社) 北里研究所理事・所長(〜2008年3月)
1993年2月 (学) 女子美術大学理事(〜1997年1月)
1997年2月 (学) 女子美術大学理事長(〜2003年5月)
2001年4月 北里大学北里生命科学研究所教授(〜2007年3月)
2002年4月 北里大学大学院感染制御科学府教授(〜2007年3月)
2002年10月 21世紀COE プログラム「天然素材による抗感染症薬の創薬と基盤研究」拠点リーダー(〜2007年3月)
2003年6月 (学) 女子美術大学名誉理事長(〜現在)
2005年3月 米国ウエスレーヤン大学 Max Tishler Professor (〜現在)
2005年4月 山梨県総合理工学研究機構総長(〜2007年3月)
2007年4月 北里大学名誉教授(〜現在)
2007年4月 北里大学北里生命科学研究所天然物創薬推進プロジェクトスペシャルコーデイネーター(〜現在)
2007年4月 (学) 女子美術大学理事長(〜2015年6月)
2008年4月 (学) 北里研究所名誉理事長(〜2012年6月)
2013年3月 北里大学特別栄誉教授
2015年7月 (学)女子美術大学名誉理事長

学術賞受賞や勲章授与

1985年6月 ヘキスト・ルセル(Hoechst-Roussel)賞【米国微生物学会】
1986年4月 日本薬学会賞【日本薬学会会】
1989年3月 上原賞【上原記念生命科学財団】
1990年6月 日本学士院賞【日本学士院】
1991年8月 チャールズ・トム(Charles Thom)賞【米国工業微生物学会】
1992年4月 紫綬褒章
1992年5月 フランス国家功労勲章シュバリエ章(Chevalier de L’ Ordre National du Merit)
1995年4月 米国工業微生物学会功績賞【米国工業微生物学会】
1995年6月 藤原賞【藤原科学財団】
1995年9月 日本放線菌学会 特別功績功労賞【日本放線菌学会】
1997年9月 ローベルト・コッホ(Robert Koch)金牌【ローベルト・コッホ財団(ドイツ)】
1998年1月 プリンス・マヒドン(Prince Mahidol)賞 【タイ】
1999年11月 紺綬褒章
2000年3月 ナカニシ・プライズ(Nakanishi Prize)【日本化学会・米国化学会合同】
2000年6月 野口賞【山梨日日新聞、山梨放送、山梨文化会館】
2005年3月 アーネスト・ガンサー賞 【米国化学会】(Ernest Guenther Award in the Chemistry ofNatural Products)
2006年8月 アムジェンレクチャーシップ賞(Amgen Lectureship Award)【米国工業微生物学会】
2007年4月 ハマオ・ウメザワ記念賞(Hamao Umezawa memorial Award)【国際化学療法学会】
2007年4月 レジオン・ドヌール勲章(Chevalier, L’ordre national de la legion d’honneur)
2008年6月 平成20年度発明奨励功労賞【(社)発明協会】
2010年6月 テトラへドロン賞【エルゼビア社】(The Tetrahedron Prize for Creativityin Organic Chemistryor Bioorganic and Medicinal Chemistry)
2011年6月 瑞宝重光章
2011年6月 アリマ賞(Arima Award)【国際微生物連合】
2012年1月 山梨県韮崎市 市民栄誉賞【韮崎市】
2012年7月 ノーマン・R・ファルンスワース研究業績賞 【米国生薬学会】
2014年10月 カナダ 2015 ガードナー国際保健賞【ガードナー財団】(Canada Gairdner Global Health Award)
2015年1月 朝日賞【朝日新聞社】
2015年11月 文化勲章
2015年12月 ノーベル生理学医学賞
2015年12月 東京都世田谷区 区民栄誉章【東京都世田谷区】
2015年12月 東京都栄誉賞【東京都】
2016年2月 埼玉県栄誉賞【埼玉県】
2016年2月 埼玉県さいたま市 市民栄誉賞【埼玉県さいたま市】
2016年9月 日本放線菌学会特別栄誉賞【日本放線菌学会】
2016年11月 埼玉県北本市 市民栄誉賞【埼玉県北本市】